審美歯科治療について

☆審美歯科治療のポイント☆
1.病的状態の改善
2.審美的修正

審美的治療は、基本的に病的症状がない場合に行える治療です。生物学的、機能的には生理的な状態なら、審美的には問題ありません。ですから、多くの審美障害は、何らかの病的な状態の為に起こっているのです。

まず初めに、病的な状態を改善したら、同時に審美的にも改善されています。その次に、審美的な目的において、更なる修正を行うかどうかを審査・診断し、決定するものです。その段階では、あくまでも、主観的な問題です。医学的には問題とならない範囲で、主観的にさらに美的に修正を行うのが審美歯科治療です。

実際には、初めの段階で、病的診断と審美的診断を同時に行える場合は多いですが、病的状態の改善の段階において、どこまで審美的(主観的に)に満足できるか、完全には判断できないので、あくまでも予測の範囲で計画を立て、最終的には実際にその時点で再度診断し、審美治療の必要性を方法を決定するのが望ましいでしょう。

逆に、病的状態をそのままにして、審美的にのみ改善しようとすると、機能的に維持できませんし、そもそもそのような治療は存在しません。例えば、専門領域で分けるなら、矯正科、歯周病科、保存科、外科等が、病的状態を改善してから、初めて審美歯科が審美的に修復するのです。(診断の段階では全体で審美も含めて診断し、他科の治療でも審美的に影響があればそれを含めて治療を行います。)

また、病的な状態を改善する段階でも、審美的な基準、手法を現在では用いることができます。ですが、それは美的観点のみではなく、あくまで生理的な観点での審美(視覚的に正常・生理的)であり、当然の処置と言えるでしょう。

*症例1
これは、機能の改善と審美治療を行った症例です。
上顎の歯列が右に傾き、スマイル時に右側のみ歯肉が過剰に見える状態で、特に下顎が左にズレていることが大きな原因で、上顎骨自体が傾いています。
噛み合わせの調整により、矯正治療も、歯肉の整形外科処置もせずに、上顎骨の歪みが改善され、上顎の歯列はまっすぐになり、右側の歯肉もほとんど見えなくなりましたが、歯牙の破切と更なる審美的な希望により、審美治療としてセラミック(BPR)により修復しました。口唇のかたちも改善されてきています。

*症例2
重度の歯周病により咬合崩壊の症例ですが、インプラントを含めた歯周病の治療を行いました。病的状態の改善に対し、審美性を考慮した手法や材料を用いましたが、審美歯科治療というわけではありません。